近畿日帰り里山歩き

2017年 6月10日  大国見山登山 

マップ

 大和盆地には珍しい本格の山容と片意地を見せる山でした。標高は500mと決して高くはないのですが、アプローチの急坂とふところの深さ、前衛峰を従えるその堂々たる構え、そして花崗岩をまとって成り立つ山質、と登山の吊に恥じない山、侮りがたし。
天理駅
 6月10日、晴れ曇り。天理駅から真っ直ぐ東へと天理教関係者でにぎわう商店街を抜け、まず石上神宮を訪います。日本最古の神社の一つ、武門の棟梁物部氏の総氏神として古代信仰の中でも特に異彩を放つとあります。正式には石上大神(いそのかみおおかみ)ここでは鶏が神様のお使いとして神聖視され大切に保護されています。東天紅、烏骨鶏など約30羽が人見知りせず境内を我が物顔に闊歩し、大きな鳴き声を放って人間へのサービスにこれ努めているといった塩梅。近くに寄ってくるのでかわいいものです。
石上神宮鳥居
石上神宮本殿










神鶏
本殿と休憩所をスケッチしました。てばやく線描に留め簡単に彩色するだけにしました。
本殿スケッチ
休憩所スケッチ
 石上神宮から南寄り東へ、布留川沿いに山間の長閑にして見映えのよい里を歩んで行き滝本あたりから北上、山道は急な上りになります。石上神社という神宮とは縁のあるらしい社が、ひっそり寂しくたたずんでおりました。
木漏れ日の石畳道










寂寥を共有できるこのような場所は自分の好みです。
石上神社
 桃尾の滝、行場です。真夏には涼しそうです。説明文参照。
桃尾の滝説明板
桃尾の滝









 大国見山の登り、アプローチの上りからして、靴底のラバーが鑢のようなコンクリート舗装の路面に擦られそうな急勾配です。長く続きます。
山道
上り途中に苔むした古そうなお寺さんがありました。大親寺です。ひと気がありません。


地道になっても傾斜は緩まず、ごろごろ岩に足をかけ、跨ぎ、あるいは縫ったりして立木やトラロープの助けを借り、四肢をフルに働かせての登りになります。仰ぎ見る上方にそれらしきピークが見えたと思ったら偽ピーク、頂上の尾根道にでると傾斜も緩んだり逆に下りたりの変化を見せ、ボルダ―に格好の岩塊にしばしイメージボルダ―をしたりして最後の急登を上がると、にぎやかな人声、6人ほどのにぎやかな中高年パーティーが頂上広場に昼飯休憩をしておられました。
大岩(ボルダ―)
大国見山頂上










頂上からの眺め
頂上祠をスケッチ
 彼らが下りてから、スケッチブックをとりだします。里山歩きの合間にスケッチをする場合、時間を掛けず大体のイメージをとらえる程度の即席描きをします。対象に密着せず突き放したような描き方なのであまり感心できないなと、少々の後ろめたさもありますが、山歩きの最中ではしかたなく対象に入れ込む描きの時にはあらかじめモチベを持っておかないと描く気になれませんし、半日ほどの時間も自分には必要です。
 山道を下り、長いのどかな田舎道をたどり、初夏の日差しの中、元の天理駅に帰り着きます。まだ午後3時過ぎでした。歩程は約15km。