東海自然歩道-酔いどれ天使の気まま旅
近畿日帰り里山歩き
2016年 12月18日
ウワナベ古墳~秋篠寺
12月18日のここ一週間のうちでも最も晴れた日になりましたが、本格の冬を迎えて、空には一徹な厳しい表情が広がっています。
新大宮駅
近鉄新大宮から歩きだし、ウワナベ古墳→コナベ古墳→水上池と平坦な森と水をたたえた濠の道を歩み、平城京跡へと、至ります。これだけ広い敷地を歴史遺産として残してあるのを見ると、その潤沢な予算に圧巻されます。
ウワナベ古墳①
ウワナベ古墳②
ウワナベ古墳③
上り下りがなく、自然の森と里家の間をたどるこのコースは、時間をかけてゆっくりと創造や物思いに耽りながら歩くのに、すてきにふさわしい。観光や遊山気分で歩くと、当てが外れるだろうと思います。ウワナベ古墳、コナベ古墳、無二天皇陵それぞれに大小の豪があり、静かな水面の鴨の遊ぶ風景には生きとし生けるものの親しみが備わって、眼にやさしさを映してくれます。
コナベ古墳①
コナベ古墳②
濠の鴨
落ち葉道
水上池
ウワナベ古墳からすれば小ぶりなコナベ古墳を後にし水上池という大きな池を左に観て南へ歩んで行きますと広大な平城京跡にたどりつきました。敷地ばかりがだだっ広くて建物が申し訳程度にしかありません。
平城京跡
平城京役所跡
西へ歩を進めます。佐紀神社、佐紀高塚古墳、佐紀陵山古墳、無二天皇陵と森中の小さな古墳群を縫うように進み、西北に向きを変えて少し距離を歩いて行きますと最後に神功皇后陵に行きつきます。割合大きな豪に囲まれている規模の大きな陵です。仁徳天皇皇后だそうです。
佐紀神社
釣殿神社
無二天皇陵①
無二天皇陵②
神功皇后陵石碑
ここから森を離れ一般道を南寄りにだらだらと歩きます。田舎道なので車はほとんど通りません。畑地から町中へと入っていきます。
いよいよ秋篠寺に着きました。開基776年とありますから、相当に古い歴史をもっています。また、昭和24年以降、この秋篠寺は既成の如何なる宗派宗旨にも偏することなく存続してきたそうです。珍しいらしいです。
秋篠寺入口門
入口門はというと、この大きなお寺からすれば貧弱なというほど小ぶりなのですが、中へ入ると城郭を想わせるような石垣が目立ち、さらに奥へ進むとその庭園の壮大さと樹々の奥深さに目を瞠ます。特に、樹下一面に生える青苔は艶かに光り一見の見ごたえがあります。
この寺の何がして吊を知られていることかと申しますと、以上述べましたお寺の観想だけのことではなく、重要文化財の仏像が数々安置されていることです。なかにも人にして感嘆の声を漏らしめさせるのが,「伎藝天《立像です。喜怒哀楽を超越したすずしい顔の表情、そのプロポーションの流麗な線、仏像に対し卑近ではありますが、あでやかな女性の姿をそこに観てしまいます。時間をかけて眺め続けても見飽きないようでして、入山料500円也のせいばかりでなく、去りかけては戻りまた眺めを、3度ほど繰り返してしまいました。残念ながら堂内撮影禁止・スケッチ禁止なので、ここにお見せできません。若い女性の見学者も見学されていたのには、同好の士を得た想いで少々気がなごみます。
秋篠寺①
秋篠寺②
秋篠寺③
秋篠寺本殿
秋篠寺裏門
パンフ①
パンフ②
秋篠寺から次は西大寺へと歩みます。
道標
町の中に在りますが、ここは申すまでもなくさすがに大きな規模と寺格を四囲に標榜させています。
西大寺 四王堂
西大寺 石畳路
西大寺 本堂
ここは入山料の徴取がありません。市民の方の憩いの場として開放されているのでしょうか?ちいさな池があり、一匹の亀が陽を受けて微睡んでいます。玄武と言って神亀だそうです。光が池面に映って鏡のように光り、樹木の正反対の像を結んでいます。スケッチしました。風邪ひきがまだ癒えない身体なので2時間余り描いて途中で打ち切りました。
玄武池スケッチ
時刻は15:00、近鉄大和西大寺から帰路につきました。